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~銀座のママ 日高利美さんが考える“いい男” Vol.1~
~銀座のママ 日高利美さんが考える“いい男”~
右:銀座 ルナピエーナ オーナーママ 日高利美さん
左:PELLE MORBIDA 服飾雑貨事業部 統括部長 笹原 総一郎
毎回様々なジャンルからゲストを迎え、ざっくばらんに語り合うペッレ モルビダの談話企画。3回目は、銀座で人気のクラブ「ルナピエーナ」でママを務める日高利美さんです。10代の頃からママになることを夢に見て、18歳の誕生日から銀座のクラブで働き、念願の自分のお店を構えて今年で丸18年。多くの男性(しかもその多くは成功者)を見てきた日高さんにいろんな質問をぶつけてみました。日高さん、“いい男”ってなんなんでしょうか?
笹原 日高さんは著書も多く出されていたりと、いわゆる“銀座のママ”の中でもちょっと特別な存在だという印象です。そもそもこのご職業につかれたきっかけはなんだったのでしょうか?
日高 私が10歳だった頃、目黒区の八雲に住んでいたのですが、最寄駅の自由が丘にも銀座と同じくらいのクラスのクラブが数件あったんです。そのうちのとあるクラブでナンバーワンホステスをやっていたのが、私の同級生のお母さんだったんです。私、そのお母さんが出かけていく姿を見て憧れてしまって。ちゃんと美容室に行って身なりを整え、着物を上手に着こなし颯爽としていて。それで黒い車が迎えに来たりするわけですよ。それを子供ながらに見ていて、まるで馬車がシンデレラを迎えに来ているような気持ちになってしまって。『私もあの黒い車に迎えに来て欲しい』って思っちゃったんです。その頃から夜の世界に憧れていたんですね。
笹原 それで銀座にお店を出したのが26歳の頃ですよね。まさに有言実行。
日高 18歳の誕生日から銀座にいて、26歳でお店を出して、おかげさまで18年。ご贔屓にしてくださるお客様と一緒に働いてくれているスタッフのおかげだと思っています。
笹原 すごく居心地のいいお店ですね。
日高 ありがとうございます。私は高級クラブというよりは、心地いいと思ってもらえる空間を作りたかったんです。まるで自分の家のリビングにお客様をお迎えするような、気軽にきていただける場所を作りたかった。ですので、銀座にしては比較的お値段も抑えめかと思います。
笹原 きちんとコンセプトがあるんですね。
日高 大それたことかもしれませんが、私の目標は古き良き夜の銀座の文化を受け継ぐ100年続く銀座クラブになることなんです。スタッフや女の子たちにもその夢を共有して、どうすればいいか日々考えて行動しています。大変なこともありますが、毎日充実していてとても楽しいです。
鞄をさわれば
その人の背景がわかる!?
笹原 職業的にはどういったお客様が多いんですか?
日高 昔は、あそこは文豪が多いとか、あそこは政治家が多いとか、業界の色がついているようなお店もたくさんありましたけど、最近はそういうのは少なくなっているんじゃないでしょうか。私たちのお店でいえば、中小企業の社長さんが一番多いかもしれません。
笹原 地方の方も多いんじゃないですか?
日高 さすが、よくご存知ですね。地方の方が出張の時に寄ってくださることも多くあります。
笹原 日高さんはたくさんの男性、しかも一定の成功を収められた方を見てきていると思います。単刀直入に聞いてしまいますが、男性のどこ、あるいはなにを見て、『あ、このかたはこういう方かもしれないな』と判断されますか? 靴や時計、服装などいろいろあると思うのですが。
日高 身なりだけで一概に人を判断したりはしませんが…ただ、お客様がお店に入られて、まずお預かりするのがお荷物、つまり鞄なんですね。それが重ければパソコンやたくさんの書類が入っていたりしてお忙しくされている方なのかなとか、逆にあまり荷物が入っていなさそうで上質そうなレザーの鞄であれば役職が上の方なのかなとか。逆になにも持っていらっしゃらない場合は、お車が外でお待ちなのかなとか。そういった想像はすることはありますね。
笹原 預けると言えばコートもありますね。ホテルやレストランではそれである程度身分を測るというお話も聞いたことがあります。
日高 確かにそういうこともあるかもしれません。私自身もコートにはこだわるようにはしています。ただもちろん誤解してはいけないのは、それだけでその方の価値が決まるわけじゃないということ。高級かそうでないかとは別に、こだわりを持って所有していらっしゃる感じが見受けられたり、丁寧にお手入れが行き届いている感じが見受けられたりするだけでも、素敵だなと思うことは多くあります。
場面に合わせて身だしなみを
コントロールすることが大事
笹原 つまり身だしなみがきちんとしているかどうか、ということですよね。
日高 あとは、きちんと場面に合った服装ができることが大事だと思います。それはつまり他者への気遣いや心配りだと思うんです。自分のスタイルを持っていることも大事ですが、相手の気持ちを汲むことも大事。場を大切に考えられる方が素敵だと私は思いますね。
笹原 最近はカジュアルな人が増えたんじゃないですか?
日高 そうですね。もちろんそれはそれで決して悪いことではないと思います。最近の企業の社長さんはカジュアルな服装の方もとても増えてきました。ただ、勘違いしてはいけないのは、そういう方たちも、TPOに合わせて服装を変えているということ。自分の印象をコントロールするのが上手なんです。その見極めができることが大事ですよね。実はそういう人が、男性にも女性にもモテるんですよ。
笹原 身だしなみをコントロールする=おしゃれをすることは大事ですよね。
日高 とても大事だと思います。
笹原 毎日多くの男性を見ているかと思いますが、おしゃれが上手な男性の共通点はどういうところですか?
日高 2つあって、1つはシンプルなアイテムで統一されているけれど、すごくこだわりが感じられること。例えば白いシャツに黒いパンツというシンプルなコーディネートだとしても、サイズ感や素材にこだわっていれば、すごくおしゃれに見えると思います。もう1つは、個性的なアイテムを取り入れながらもごちゃごちゃしていないこと。ユニークなデザインや色を取り入れながら、あくまでシンプルにまとめられている人ですね。どちらも共通しているのは、どこかに本人が楽しんでいるポイントがあることですよね。今日はジャケットのシルエット、今日はメガネ、今日はパンツの色、という感じで、楽しんでいるところが見えるとおしゃれだなって思います。
笹原 おしゃれを楽しんでいる人がおしゃれ。確かにそうかもしれませんね。
日高 それにおしゃれに気を遣われる方は、体型の維持も意識されるています。またシルエットが崩れないようにジャケットのポケットにはなにもいれないようにしたりとか。人から見られている意識が高くなるんだと思うんです。それっていいことですよね。
~銀座のママ 日高利美さんが考える“いい男”Vol.2へ続く~